4. [ 連載 ] 過去に陥った負のスパイラル。

過去スパイラル陥っていました

I also had fallen into negative spiral in the past.

 私も人間。根っこの部分は意志が弱く、怠惰(たいだ)な生き物です。

 数年前の私は、おそらく今のあなたとほとんど変わらない状況にありました。

・自己啓発系の書籍を読み漁る。
・様々な勉強会やセミナーに参加する。
・成功者のオーディオを擦り切れるほどに聴く。

 環境の重要性に気付くことなく、ひたすら孤独に成功のためのノウハウや、成功法則を追い求める。こういった行為を続ける毎日でした。

 当時の私は、本当に自己投資マニアで、10年間で投じた金額は、合計5,000万円以上。時には、1回100万円以上するようなセミナーに即決で申し込む。そうやって稼いだお金を全て書籍代や高額なセミナー代に突っ込んでいく日々を送っていました。

 もちろん、これらの自己投資で結果がついてくれば全く文句ありません。しかし、前述の通り、こういった行為もあくまでカフェインがたっぷり入ったエナジードリンクを飲むようなもの

 その効果が切れれば、テンションもモチベーションも下がる。後には、割高な自己投資(エナジードリンク)代が自分の銀行口座から無くなるだけです。

 今、考えれば、数年前の自分は

日影に置かれた鉢植えに一生懸命、水や肥料を与える。
いつになったら芽が出るのかと、悩みながら、ただひたすら丁寧に面倒を見ている

 そんな状態でした。

日影

“どんな環境で花を咲かせるかが最も大事”

 しかし、今なら分かりますが、そもそも日影という環境に置かれた花は何をやっても咲きません。いくらそこにお金を投資したところで綺麗な花を見ることはできません。

 同様に、そもそも成功するための環境が無い状態で何をやっても成功することはできないいくら成功ノウハウや成功法則を求めて自己投資したところで、一向に成功という花は咲かないのです。

 そもそも解くべき解が間違っていること。今いる環境(日影)から、成功するための環境(日当たりの良い場)へ移らない限り何も始まらない。

 数年前の私は、そんなことも分からずに、毎日、

・“自己投資をしているつもり”。
・“成功に向かって突き進んでいるつもり”。

 そうやって勘違いしたまま毎日お金をドブに捨てる。もちろん、そんなことを続けても、成功には全く近づくことはありませんでした。

それは“日影肥料やる行為”なのか。あるいは、“鉢植えごと日当たり良い場所移す行為”なのか。

Move potted to sunny place.

 そんな毎日を続ける中で、自己投資に使えるお金も底を尽き、これが自分にとっての最後のセミナーになる。そんなとあるセミナーに参加した時がありました。

最後の最後に、もしかしたら、何か成功へのきかっけを掴めるかもしれない」。そんな淡い期待を胸にセミナーに参加しました。

 しかし、セミナーの内容は、いつもどおりのありふれたもの。

 確かに周りの参加者の中には、エナジードリンクを飲んだ時のようにテンションが上がる人々も多くいました。その場限りの熱量で、熱くグループディスカッションをしてくれる人もいました。

 しかし、そのセミナーをもって貯金がすっからかんになる。そんな私には、もうその場限りのテンションを上げるエネルギーすら残っていませんでした

 数時間後にそのままセミナーは終了。他のビジネス系セミナーの多くがそうであるように、セミナーで盛り上がった流れで懇親会が行われる。セミナー申込時に既に懇親会の参加費を支払っていた私は、半ば惰性でその懇親会に参加することとなりました。

 そんな気持ち。特にこれといったモチベーションも無く、なんとなく参加した懇親会。その懇親会で、私は、ある社長と出会うことができました

(今、考えれば、それが私にとって大きな転機となりました)

 もうこれで最後と決めていたセミナーが終わり、半分ヤケになって早いピッチでアルコールを摂取する。そんな私の隣にたまたま座った社長。明らかに他の参加者とは違うオーラや雰囲気を持ったその社長のことが少し気になっていました

「いやー、実を言うとこのセミナーに参加する費用で、私の貯金はもうすっからかんなんです」

 気付けば、私はそんなふうにして、その社長に話しかけていました。

・これまで10年間で5,000万円以上もの自己投資をしてきたこと。
・しかし、実際のところそれが全く実を結んでいないこと。
・だから、こうして惰性で懇親会に参加してやけ酒を飲んでいること。

 セミナーの懇親会で、たまたま隣り合わせに座る。出会ってまだ1時間も経っていない相手に対して、気付けば私はかなり多くを喋っていました。

 そのあいだ、その社長は、ほとんど自分のことを話すことなく、ひたすら私の話を聞いてくれました。

 それからまた1時間ほどが経ったころでしょうか。懇親会も終盤に差し掛かり、皆もアルコールがかなり入って出来上がる。私自身も愚痴を交えながら、これまでの経緯を全て社長にぶちまけたところで、その社長がやっと口を開いたのです

「太陽くんと言ったね。私は、今日、たまたま取引先の社長に強引に誘われてこのセミナー、そしてこの懇親会に参加している。そして君はたまたま私の隣に座った。これは取引先の社長が作っている場だし、私がこんなことを言うのは筋違いかもしれない」

「……でもね。君がそうやって自己投資を続けても成功できない理由。いや、君に限った話じゃない。今日、こうやってこのセミナーに参加している全員に言えることかもしれない多くの人が成功を望むのに、実際は成功を手にすることができない。その理由は至極シンプルなんだ。君はまだそれに気付いていないみたいだね」。

 懇親会が始まって2時間近く。かなりお酒が入っていたはずなのに、真剣な眼差しと、これまでに聞いたことのないような語り口。私の酔いは一気にさめ、その社長の話にグイグイと引きこまれていくのが分かりました。

多くの人が成功できない理由、そのカギを解く3つの言葉があって…」

 そういって、その社長は冒頭に話をした、

「水は方円の器に随う」
「麻の中の蓬」
「孟母三遷の教え」

 この3つの古くから中国に伝わることわざの話。加えて「朱に交われば赤くなる」の話。そして、成功ノウハウや成功法則を追い求める前に、そもそも環境を作り出すことの大切さ。平凡な人のコミュニティから脱却して、成功者のコミュニティに場を移すことの大切さを教えてくれたのです。

「自分が何かに自己投資をしようと思うのであれば、それは果たして“日影の花に水や肥料をやる行為”なのか。あるいは、“鉢植えごと日当たりの良い場所へ移す行為”なのか。それをよく自問自答したほうがよい」

日向

“その自己投資は、果たしてどちらなのか?”

「多くの人は、“自己投資”という言葉で自分にお金を使う。しかし、それは単に、“日影の花に水や肥料をやる行為”である場合が多い。しかし、日影に置かれた花にいくら水や肥料を与えても、いつまでたっても成功の花は咲かない。芽すら出ない可能性のほうが高い。むしろ、水や肥料の与えすぎで、かえってげっそりしてしまう。太陽君もそうだし、この懇親会の場にもそういった人が多くいるだろう?」

 私は手にもっていたレモンサワーのジョッキを置き、他のテーブルを見渡しました。

 確かにセミナーに参加することで、その場限りのテンションやモチベーションは上がったように見える。しかし、彼らの目は明らかに死んでいる。これから成功者になるような雰囲気は、とても感じられない。少なくとも隣に座った社長のようなエネルギーを感じる人は、その場にはいませんでした。

「彼らは、彼らなりに成功ノウハウや成功法則を求めている。成功できる人だけが持っていて、成功できない人は持っていない。そんな秘密の書物ようなものを手にできれば、成功を掴めると思っている。でもそれが、そもそも大きな間違いなんだ」

「繰り返すが、成功するために重要なことは、まずは、“鉢植えごと日当たりの良い場所へ移すこと”。つまり、今いるその環境をそっくりそのまま変えることなんだ。これが分からず、いつまでも日影で水や肥料をあげ続けてしまう。でも、残念ながら、それだけでは何も得ることはできないんだ」

日向

“環境を変えれば自然と花は咲く”

「植物に適切な量の水や肥料を与えることが決して無駄ではないことと同様に、自己投資として書籍代やセミナー代にお金を投資することは間違ったことではない。むしろ、不勉強な輩が多い中で、そうやって勉強することにお金を使えることは素晴らしいことだと思う。読むべき本は数多くあるし、お金を払ってでも会うべき人は多くいる

「しかし、それはあくまで適切な環境が用意されたうえで行うからこそ意味を成す行為。繰り返すが、それだけでは成功を掴むことはできないんだ」

「まずは、“鉢植えごと日当たりの良い場所へ移すこと”。今いる環境をそっくりそのまま変えることから。その上で適切なだけの水や肥料、つまり適切な自己投資を行うことが重要なんだ」

 そう言うと、社長は一枚の名刺を私に差し出しました

「まずは、この社長に会ってみると良い。彼は私の古くからの友人で、君のような人にとっては良いきっかけを与えてくれると思う。きっと君の鉢植えも、日当たりの良い場所へ移動させることができるだろう。

 そう言って、その社長は福岡の別の社長を紹介してくれました。

 そして、たった一人の社長に会うだけで事業はどんどん加速度を増し、成功者の仲間入りを果たすことができました

なぜ、たった一人社長会うだけで、事業どんどん加速度増し成功者仲間入りすることができたのか

Why I was able to join the ranks of successful person?

 私はすぐにアポを取り、その社長に会いにいきました。古い友人からの紹介ということもあり、その社長は快く私を受け入れ、とても親しく接してくれました。そして、その社長を紹介して貰えたこと、そのご縁をきっかけに、私の事業はどんどん加速していく。どんどん成功者の仲間入りをしていくことができました。

 なぜ、たった一人の社長に会うだけで、事業はどんどん加速度を増し、成功者の仲間入りをすることができたのか。

 そのカギは、成功者のコミュニティ特有の“ある特徴”にあります。

 成功者のコミュニティというのは非常に面白いもので、確かにその場に入ることは非常に難しいもの。しかし、一度、突破口を見出すことができれば、一気にそのコミュニティ内で影響力を持つことができる。こういった特徴も併せ持っています。

 というのも、

・成功者であればあるほど、口コミや紹介に依存しやすい
・一般的な人はネットで検索するが、成功者は同じ成功者に助言を仰ぐ

 こういった傾向にあります。

 彼らは起業家であり、経営者であり、それぞれに自分自身のビジネスを所有していることがほとんどです。そのため、ビジネスに必要な様々なパーツ。あるいは、成功者としてプライベートを充実させるために欠かせない要素を、信頼のある筋からの紹介で埋めていきたいと考えるのです。

 弁護士や税理士、FPから始まって、SEO業者、PPC(リスティング)広告の運用代行、オフィス機器、金融機関、仲介業者、時には美味しいレストランや、子供を入れる塾に至るまで。

 彼らは、それらを選ぶ際に、同じコミュニティにいる成功者の助言を元に付き合う相手を選び出します。なぜなら、それがより正しい判断に繋がることを、彼らは知っているためです。美味しいご飯屋さんを探す際にも、彼らは食べログのレビューや評価より、何百、何千と食べ歩いている食通の成功者にオススメの店を聞くのです。

 これは言い換えれば、どの分野であっても一人の成功者に認めてもらうことで、一気にそのコミュニティ内で口コミが広がる閉鎖的でライバルがなかなか入ってくることができない成功者のコミュニティという場で、言わば独占的にその影響力を強めることができることを意味します。

 私の場合は、その切り口、武器となったのは「集客」というキーワードでした。

 一人の成功者相手に「集客」というジャンルで確かな成果を残す。そうすることで、その成功者が属しているコミュニティで、誰かが集客に困るたび、「集客なら太陽君という人が適任だよ」。そんな風に紹介してもらうことができる。

 下品な言い方をしてしまえば、スロットやパチンコで言う確変(確率変動:大当たり確率が甘くなること)に入ったような状態になることができました。

 そういった成功者が集まる会食があるたび、私の口コミはどんどん広がっていく。会食の翌週には、私の携帯に知らない番号から次々に着信がある。そして留守番電話には「集客と言えば太陽君と聞いたんだけど、一度、話を聞いてもらえるかな」。そんなメッセージが何件も残されるようになりました